呪いのラケットより発展妄想話『Wデートだ!?-2-』
〜チケット売り場のおねーさんは見た〜



お化け屋敷の入り口にて

ねえねえ、聞いてくれる?
私、遊園地のお化け屋敷の入り口でチケット売ってるんだけど、この前の日曜日、すっごい美形のカップル見ちゃったの。
しかも、二組!

薫 「・・・なんスか?その手。」
跡部「フッ、掴まってもいーんだぜ?」
薫 「(真っ赤になって)んなことできっか!」
跡部「・・・まっ、いずれ俺様に頼るんだろーけどな。(素直じゃないとこが可愛いじゃねーの。)」

一組目はね、何かとてつもなくエラソーな彼氏が連れてきている子をからかっててね、差し出した手を振り払われてんのに、余裕綽々で笑ってんの。
ちょっと意地悪そうな、人を見下しそうなクセはあるけど、華があるってのがピッタリの端正な男前よ?
色の薄い、どこかラベンダーがかった髪がゆるく外に流れてて、くっきりと意志の強い瞳の下の泣き黒子が妙にヤラシくて、声もね、甘みを帯びてるってゆーか、しゃべり方も語尾の響きが後を引くの。
細身だけどバランスよく発達した体躯と、とにかく、自信に溢れてて威風堂々を通り越してふんぞり返ってる傲慢さと風格が、ただ者じゃないってカンジ?
それだけで周りを平伏させる、生まれながらの王侯貴族みたいな(それにしては言葉遣いが・・・だけど)オーラがあるんだから、すごすぎよね?
その彼氏がね、連れてる子ってのが、すっごく可愛い子でね。
最初はすらっとした背の高い子って思っただけなんだけど、よく見るとこれがメチャ美人なわけよ。
まずその髪!
ショートカットなんだけど、つやつやサラサラ、緑の黒髪ってこのことかってなくらい綺麗な髪してんの。
肌も白くってきめ細かくってスベスベそう。
それだけでもうらやましいってのに、とにかくスタイルがいいもんだから、見惚れちゃう。
今時の、手足のすんなり長いモデル体型っての?
頭が小さくて小顔で、あの子なら八頭身なんじゃないかしら。
ため息が出そうなくらいの脚をしててね、絶対スポーツやってる引き締まったカモシカみたいな脚!
腕も綺麗に筋肉がついた二の腕から指の先まで、しなやかで線が綺麗。
でも、一番印象的なのは、つり上がった大きな挑むような瞳よね。
白目の部分が大きいから、その中で黒曜石みたいな黒目が動くとホント心揺さぶられるってゆーか、魅せられるの。
小作りな唇なのに、下唇がふっくらしてて、愛らしいったら。
そんな美人さんなのに、何かね、彼氏にちょっとからかわれてる反応がえらく可愛くって、すぐ赤くなってるとこなんかピュアそのもの。
なのに、どこか色気あんのよねー。
ひっくい声なんだけど、耳に残るってゆーか、不思議な重低音・・・え?その子?男の子だよ?かっこいーし、鍛えた体してるし、ストイックな雰囲気持ってるし、別にいいじゃん。
あの子なら、あの王様みたいなワガママな彼氏の気持ちわかるなあ。
つついて遊んだら、すっごい可愛い反応返してくれそう。
絶対飽きないよね。
新鮮な魅力っての?
もう、私、ファンになっちゃった。
え?もう一組はって?
そうそう、こっちもすごい組み合わせでね・・・。

手塚「不二、わかったから、手を離せ。」
不二「えー、もったいないなあ。気にしないでよ、手塚。」
手塚「(少し低い声で)不二。」
不二「もう。(ま、今はいっか。どうせ、中に入っちゃえばこっちのものだし。)」

こっちの彼氏(でいいと思うんだけど)は、さらさら茶髪で色白で、穏やかそうな笑顔が上品な美形なの。
なのにね・・・何か雰囲気が黒いのよね。
連れてる相手が手を離せって言うからしかたなく離したんだけど、でもね、相手の言うことを聞いていそうで実は自分のしたいことをしているっていうか、彼に気に入られたら最後っていうか、(気に入られなくても最後っていうか)こっそり観察してたのに、なんで気づくの!?
目があったときは、びっくりしたわよ。
それまで目を細めて常に微笑を絶やさなかったのに、開眼したら全然別人!
ブルーの瞳はホント底知れない怖さで、魔族の王子?いっそ魔王様?ってなくらい。
その彼氏が連れてる相手ってのが、正統派のちょっと見かけないイイ男なの。
そう、文句ある?
お似合いなんだから、カップルなのよ!
だって聞いてよ、じゃなくて見ればわかるわよ。
背が高くて、落ち着いてて、頭もよくって眼鏡が一層知的さを引き立ててる白馬の王子様のような人なんだけど、どこか可愛いのよね。
周りから頼られて、何でもできそうな静かな迫力のある美人なのに、そんな器用じゃなくて、その強さにあこがれると同時に守ってあげたいような。
あの人しか、いないんじゃない?
あの魔王サマが惚れるのは。

なんて、すっかり見惚れている間に二組とも入って行っちゃたのよ〜。
あ〜残念!
中まで付いて行きたかった!
どんなドラマがあったんだろう・・・。
なによ、知りたくないの?
あの二組、出てきた時には、相手変わってたのよっっ!
あの後、どうなったのか知りたい!誰か教えて〜
                           続く


<言い訳>

「まだ入り口かよ」と思いきや、入ってあっさり出てきてしまいました。
どうなったかを、一番教えて欲しいのは、私。
この後の目撃談は、「3 〜跡部家の運転手は見た〜」にて(笑)    by N



<お礼>

ありがとう〜!Nちゃん!!
まさか、本当にこんなに早く続きを書いてくれるなんて思ってなかったわ。
うれしいです!
しかし、貴女のキャラクター分析には脱帽します。
そして、チケット売り場のおねーさん!
あなたの観察力には、感心しま〜す。
よくまあ、あの短時間でそれだけ観察できたわねぇ・・・。
いいところにいらしたわね。
私が代わりたかった・・・。

おわかりのことと思いますが、Nちゃんは、海堂が一番な人なので、文章中の愛情のかけ方に随分な違いがありますが、そこは、ご了承くださいね。
でも、手塚も不二もするどくて、すごく納得!って感じで作ってくれてて、本当にありがとう。
続きがとても楽しみです。
どうか、頑張って「その3 跡部家の運転手編」も読ませてくださいね。
お願いしま〜す!(にゃん、にゃん。)




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