第98回 ビリヤードの王子様 



「ぎゃー!手塚ぁ〜!!!」
思わず、テレビに向かって叫んでいました!
なんて、なんてかっこいいの!
素敵〜!
もう、あの手塚のワンショット(提供バック)だけで、今週は満足〜!
あまりのかっこよさに(1番決まっていましたよね。)それまでのアニメの内容をすっかり忘れてしまいそうでした。
出てくるなんて、予想もしていなかったので、本当にうれしかったな。(ファンサービス?)

「ビリヤードの王子様」は、それなりに面白かったです。
大石と菊ちゃん、桃ちゃんと薫ちゃんは、それなりにツーショットをかましていたし、不二様のマイキューにも「リョーマ君、ビリヤードやったことないの?」発言にも笑えました。(普通の中学生はそんなに誰でもビリヤードなんてやっていないんじゃないの?)
私が田舎者だから知らないだけで、都会の子は、みんなビリヤードやっているのかしら?
まあ、不二とか海堂あたりは、お金持ちだし親の付き合いみたいな感じでやっていても不思議じゃないかもしれないけどさ。
ビリヤードでもツバメ返しとか、白鯨とかドライブBとか、スネイクとかいろいろな技が見れて面白かったけどね。
主役が勝つのはお約束とはいえ、マイキューまで持っている天才不二様が初心者リョーマに負けたのは、う〜ん、悔しいかも・・・。
話は手塚に返るけど、興奮してぎゃーぎゃー言っているときは、よかったんだけど、少し落ち着いて冷静に考えてみたら、「A certain German billiards place・・・」って手塚やっぱりドイツかよ?
ドイツのビリヤード場で、一体何やってんの?
ドイツなんかでビリヤードやっている間に、早く帰ってきてよ〜!
でね、ビリヤードって一人でもできるかもしれないけど、あれは、ゲームなんだからやっぱり相手がいると思うわけです。
そうすると、手塚、君は一体誰とビリヤードに来ているんだい?ってことになりませんか?
ドイツでは、まだそんなに知り合いもいないだろうし、きっとお医者さんだろうという勝手な妄想のもと、ちょっとショートストーリーを考えてみました。
(ただし、私はやっぱり原作主義なので、手塚がドイツにいるというのは、本当は認められないのですよ・・・。まあ、アニメは別物ということで・・・。)


『手塚の休日』


医師「テヅカ、肩のリハビリは進んでいるようだね。」
手塚「はい。ありがとうございます。」
医師「明日は丁度病院も休みだし、私にちょっと付き合わないか?」
手塚「先生に?」
医師「いやかい?それとも、何か用が入っているかい?」
手塚「いえ、別に。」
医師「なら、決まりだ。明日は、私に付き合うこと。いいね。」
手塚「・・・」
医師「テヅカ、ビリヤードはやったことあるかい?」
手塚「少しは。」
医師「それは、楽しみだ。」

ビリヤード場に入ると、中にいた客の視線が一斉に集まった。
どうやら、彼はここでの常連らしい。
しかも、かなりの腕前なのだろう。
視線は、どれも羨望の眼差しのようだった。
加えて見栄えもかなりいいからだろう。
確か年もまだ30前と聞いていた。
しかし、腕は確かな医師なので、手塚は信頼していた。
中学生の手塚が、単身治療のために渡独しているのを知って、いつも何かと気にかけてくれ、親切にしてくれてもいた。

医師「ふふ・・・。手塚が素敵なので皆がこっちを見ているよ。誰も君が14歳だなんて思わないんだろうな。」
手塚「?」
この人は、一体何を言っているんだろう。皆が見ているのは、この人の方なのに・・・。
と、のん気に手塚は考えていた。
本当にわかっていないのは、手塚の方だった。
入った途端に視線を集めたのは、手塚だった。
すらっと高い身長、鍛えられたしなやかな筋肉のついた体、緑の黒髪、そしてメガネをかけてさえ隠し切れない理知的な美貌・・・。
医師は、そんな手塚を連れていることに、優越感すら感じていた。

手塚と医師のゲームを周りの客たちが興味津々で見ていた。
「ナイスショット!」(このあたり、ドイツ語に変換してくださいね。)
手塚の正確なキュー裁きに医師は驚きを隠せないでいた。
医師「テヅカ、君はテニスプレーヤーじゃなかったのかい?」
カッコーンと小気味のよい音がして、玉が落ちる。
「オオーッ」と観客のどよめきが起こった。
(不二とやるよりは、簡単だな。)
と、このテニスの王様は、失礼なことを考えていた。
手塚にビリヤードを教えたのは、恋人の(何をやらせても天才の)不二周助だった。
ビリヤードでツバメ返しだの白鯨だのをやられていたので、普通の人間の普通のショットなど、手塚にとっては何でもないショットに見えた。
その上、天才不二に教えられた上に、もともとキングオブテニスの手塚のこと。
玉を扱うのは、得意だったのだ。
真剣に玉に向き合う手塚を美しいと、医師は心からそう思っていた。
あの美しい瞳が自分を見てくれたら・・・と不謹慎なことを考えていたりもした。
しかし、そこは、大人なお医者さん。
相手が(そうは見えなくとも)14歳の子供だということと、自分の患者であるということで、かろうじてブレーキをかけていたのだ。
手塚は、自分のことを本当によくわかっていないのだ。
こんな無防備な手塚を、だから不二は心から心配しているのに・・・。

医師「テヅカ、完敗だ。なんて強いんだ君は!」
手塚「ありがとうございます。久しぶりでしたが、楽しかったです。」
医師「誰に教わったんだい?プロの先生かい?それとも、友達?」
手塚「・・・友達です。」
手塚は、不二のことをどう表現したら適切だろうと一瞬考えたが、友達であることには間違いないし、自分たちが恋人同士であるなどということは、この場でいう必要はないと判断した。
医師は、その一瞬の間に何かを感じたのだろうか。
医師「そう。大切な友達なんだね。しかも、そうとう腕もよい。」と言った。
手塚「ええ。彼は、天才なんです。」
そう答えた手塚が、ほんの少しやわらかい笑みを浮かべていた。
それは、出会ってから今までに一度も医師の見たことがない手塚の顔だった。
(ああ、そうか。)
と、医師は納得した。
「彼」というのは、手塚にとって本当に特別な大切な人なのだろうと。
手塚がたった一人でドイツでリハビリと治療に励めるのも、きっとその大切な人が手塚の支えになっているのに違いないのだ。
医師「テヅカ、いつかその君の友達にも会ってみたいな。」
手塚「今度、先生に紹介しますよ。」


不二「えっ?手塚もビリヤードしたの?」
手塚「ああ。主治医の先生に誘われたんだ。」
不二「もう、手塚。いつも言っているだろう?どうしてそう無防備に誰にでも気を許してついていくのさ。」
手塚「何を言っているんだ。お前は。」
不二「何って・・・。だから・・ああ、もう!」
所詮、不二の心配の種類など手塚にはわかりはしないのだ。
手塚がビリヤードをしているかっこいい姿を、誰にも見せたくないのに・・・。
立っているだけでもかっこいいのに、ビリヤードなんかやってたら、見ている者がみんな手塚に惚れてしまったりするかもしれないじゃないか。
テニスと同じで手塚のキューさばきは、本当に惚れ惚れするんだから!
不二は、手塚と自分との物理的な距離の長さを恨んだ。
不二(どうして、手塚ってこう自分のことはわかんないかな。その医者だって、危ないよ。もう!どうしてドイツなんかに行くんだよ!日本にだっていい病院は、たくさんあるだろう!?)
不二「手塚、くどいようだけど、お願いだから僕以外の人間に気安く気を許しちゃだめだよ?」
手塚「大丈夫だ。ドイツもそう住み心地は悪くない。そんなに悪い人間はいないぞ。みんな親切だし・・・。不二は心配のし過ぎだ。」
不二(わかってない。わかってないよ、手塚!)
手塚「そうそう、主治医の先生が、今度不二に会ってみたいと言っていた。」
不二「そう。じゃ、今度紹介してよね。」
きっちりその時に今日のお返しはしてやろうと考えている不二だった。
不二「好きだよ、手塚。早く帰ってきてね。」
と赤面ものの台詞で電話を切ると、手塚にドイツの病院なんかを紹介した氷帝の榊監督を、どうやって馬に蹴らそうかと考えていた。
不二「覚えておいてよね。『人の恋路を邪魔するやつは、馬に蹴られて死んじまえ!』ってね。」




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